下記のアドレスは特殊な用途に使われるため、機器に割り振ることはできない。
ホスト部の2進数表現が全て1(例:192.168.170.255/24)
ネットワークに対するブロードキャストアドレスとして用いられる。
ホスト部の2進数表現が全て0(例:192.168.170.0/24)
ネットワーク自体を指すアドレスとして用いられる。
本来これはネットワーク構成図やサーバソフトウェアの設定などにおける表記上の約束事にすぎず実際には必ずしも使えないわけではないが、動作が保証されないので避けたほうがよい。
また過去においては、ブロードキャストアドレスとしてこの形式を用いるOSも存在した。
127.0.0.0/8(よく使われるのは127.0.0.1)
その機器自身を表すローカルループバックアドレスとして用いられる。
グローバルIPアドレスは、まずインターネットレジストリ(APNICやJPNICなど)からISPにまとまった単位で付与される。
これを割り振り(allocation)という。
ISPは末端の利用者(個人、法人など)に対して、利用契約に基づいてIPアドレスを払い出す。
これを割り当て(assignment)という。
かつて一部の大学やIT企業が非営利でインターネットを支えていた時代には、レジストリからこれらの組織に直接割り当てられる例が多かったが、今日では商用ISPが発達したため、新規の割り当てではそのような例は少ない。
インターネットレジストリにもICANN→RIR(Regional Internet Registry)→NIR(National Internet Registry)→LIR(Local Internet Registry)といった階層構造が存在する。
個人契約者の場合、グローバルIPアドレス1個を動的に割り当てる(接続ごとにIPアドレスが変わることがある)ものがほとんどである。
ただしISPや契約プランによってはプライベートIPアドレスを割り当てるもの(CATV接続に多い)、グローバルIPアドレス1個を固定で割り当てるもの、複数のグローバルIPアドレスを固定で割り当てるものもある。
割り当てのプロトコルはダイヤルアップ接続ではPPP、ADSL・FTTHなどではPPPoE、CATVや公衆無線LAN(ホットスポット)ではDHCPによることが一般的である。
法人契約の場合はDNSやメールなどの各種サーバを運用するケースが多いこと、VPN(仮想専用網)等による取引先等とのデータのやりとりにおいて、IPアドレスによる認証やアクセス制限があることなどの理由により、複数(多いのは4個から16個程度)のグローバルIPアドレスを固定で割り当てる契約が一般的である。
なお、家庭内や組織内でのプライベートIPアドレスの割り当てはDHCP(専用サーバの他、一般向けのいわゆるブロードバンドルータに実装されている)によることが一般的である。
ただし、サーバやルータのLAN側など固定IPアドレスを必要とするものや、割り当てを厳密に管理したい場合には固定IPアドレスの割り当てが行われる。